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ブラッグの法則

 図1のように回転台に結晶をのせてそこにX線などの電磁波を当てる。 この時、回転台の回転角がある角度になった時に、強く反射が起こる。 その、一方でその他の角度ではほとんど反射されない。 これは結晶内部の原子や分子が規則的に並んでおり、これらの原子に反射された電磁波が互いに強め合ったり弱めあったりしているためである。 この現象のことをブラッグの法則と呼ぶ。 ブラッグの法則を用いて結晶構造を解析することが多い。

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図1. 結晶に電磁波が入社し反射される様子

ではどのような理屈で反射波が強められるのであろうか? 図2にその原理を示す。 ここで、結晶内部にある原子に当たったX線などの電磁波はその強度が弱められることなく反射されるとする。 ちなみにこれを弾性散乱と呼ぶ。 表面で電磁波が反射される一方で2番目の格子面まで入射した電磁波は2番目の原子で反射される。 もし角度がある角度になると、1番目の格子面で反射された電磁波と2番目の格子面で反射された電磁波の位相がそろう(同相になる)。 こうなると2つの電磁波は互いに強めあうのである。 この強め合う角度で電磁波が入射するればn番目(nの整数)の格子面で反射された電磁波も1番目の格子面で反射された電磁波と強め合うのである。 以上の原理でブラッグの法則が成り立つのである。

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図2. 結晶内部における波の反射


ブラッグの式の導出
 ではどの角度の時、反射波が強くなるのであろうか? この角度はブラッグの式と呼ばれる関係式から導出することができる。 ブラッグの式は幾何学的に簡単に導くことができるので、以下に簡単に紹介しておく。

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図3. 格子面での反射

図2の格子面で起こる反射を簡単に表したものが図3である。 鏡の反射と同じで入射波と反射波の角度は同じになる。 ここで、高校物理で習った鏡での光の反射と角度θの取り方が異なることに気をつけておく。 この反射面をより拡大したものが図4である。

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図4. 格子面での反射(拡大)

2番目の格子面で反射した電磁波は1番目の格子面で反射した光よりも青矢印の分だけ長い光路となる。 この青い矢印の長さを考えてみる。 まず入射波側の青矢印の長さは \begin{eqnarray} d \sin \theta \end{eqnarray} となる。 ここで、\( d\)は格子面どうしの間隔である。 反射波側の青矢印も同じ長さであるから2番目の格子面で反射される光と1番目の格子面で反射される光の光路差は\( 2 d \sin \theta \)となる。 この光路差が電磁波の波長の整数倍になった時に反射波は強めあう。 つまり、 \begin{eqnarray} 2 d \sin \theta = n \lambda \end{eqnarray} の関係式を得ることができる。 この関係式のことをブラッグの式と呼ぶのである。

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