トップ > プラズマ物理学 > 位相速度

位相速度

 図1のように波がその形状を変化させることがなく伝搬する時、波の特定の位置が進む速度のことを位相速度と呼ぶ。 このページでは位相速度の導出方法とその特性について説明しようと思う。

fig4-2-1.png
図1. 位相速度

以下のように、密度\( n \)が正弦振動している場合を考える。 \begin{eqnarray} n = \tilde{n} \exp ( {\bf k}\cdot {\bf r} - \omega t)\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (1) \end{eqnarray} ここで、\( \tilde{n} \)は複素振幅(なぜ複素数で振幅を表すのかは、指数関数(複素数)を使った波動の表し方のページを参照)、\( {\bf k} \)は波数ベクトルで以下のように表される。 \begin{eqnarray} {\bf k}\cdot {\bf r} = k_x x + k_y y + k_z z \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (2) \end{eqnarray} 今、簡単のために密度の正弦波動が\( x \)方向にしか伝搬しないと仮定する。 すると、式(1)で表されていた正弦波動は、 \begin{eqnarray} n = \tilde{n} \exp ( k_x x - \omega t)\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (3) \end{eqnarray} と書き換えることができる。 ここで、式(3)は複素数ではあるが観測される密度の変動は式(3)の実部だけが観測されることに注意する。 次に、波動の特定の位置というのは、波の同じ位置、つまり式(3)が同じ値を取るということであるので、 \( k_x x - \omega t \)が時間変化しないということである。 従って、 \begin{eqnarray} \frac{d}{dt} ( k_x x - \omega t ) = 0 \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (4) \end{eqnarray} である。これが位相速度を表す式である。 これの微分を実行すると、 \begin{eqnarray} \frac{dx}{dt} = \frac{\omega}{k_x} \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (4) \end{eqnarray} となる。これが、x方向の位相速度なのである。 xに加え、y, z方向を考え、三次元の位相速度\( v_{\phi} \)は \begin{eqnarray} v_{\phi} = \frac{\omega}{k} \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (5) \end{eqnarray} と表されるのである。 もし、\( \omega/k \)が正の場合は波は右側に進み、負の場合は左に進む。 これは、\( \omega \)は正であるので\( k \)が正負に代わり、\( k_x x - \omega t \)を一定に保つために\( t\)が増すと、\( k \)が正の場合\( x \)が増し、\( k \)が負の場合\( x \)が減るためである。

広告