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プラズマの応用:イオンエンジン

カテゴリー:プラズマ物理学


 

fig1-9-1.png

図1-9-1 イオンエンジン


イオンエンジンはイオンを推進剤としてロケットから放出することで推進力を得るロケットエンジンの一種である。 ここでは、イオンエンジンの仕組みを簡単に説明する。

図1にイオンエンジンの概略図を示す。 真ん中の空間は両端に電極が取り付けられており、左から右に電場がかかっている。 この領域に推進剤室からイオンを注入すると、イオンは右に向かって加速される。 右側(負極:−)はメッシュ状になっており、イオンはこのメッシュを通り抜けることができる。 すると、右端からイオンが抜け出し、高速で放出される。 このイオンが推進剤となって、機体を左側に動かすのである。 この時、イオンだけが放出されると、機体がマイナスに帯電してしまうので、中和剤として機体からは電子も同量だけ放出される。


このイオンエンジンは、元来使われてきた化学燃料エンジンと異なり、推進力は弱いものの、 高燃費での運用が可能である。これは高寿命であることを示している。 よって、近年では人工衛星のエンジンとして標準的に搭載されるようになっており、例えば「はやぶさ」にも搭載された。


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