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プラズマの応用:MHD発電機

カテゴリー:プラズマ物理学


MHD発電はプラズマを使った発電として近年注目を浴びている。 図1にMHD発電機のかなり簡単な概略を示す。 これを見てもわかる通り、MHD発電機の仕組みはかなりシンプルである。


fig1-8-1.png
図1 MHD発電機


MHD発電機の簡単な原理を説明する。

図1の真ん中にあるプラズマ射出器からプラズマを右に向かって放出する。 この放出方法はいくつかあるが、一番シンプルな方法として、プラズマを高温にして、膨張させて射出させる方式がある。 右に向かったプラズマは平行板のゾーンに差し掛かる。

ここには紙面下向きに磁場がかけられているので、この領域ではロレンツ力が働き、イオンと電子で逆向きに運動して平行板へと集められる。 すると平行板は上が正に、下が負に帯電する。 この平行板の分極によって、回路に電流が流れるのである。 これが”ものすごく”簡単なMHD発電の仕組みである。


MHD発電は通常の発電と異なり、タービン等の機器を使用しない。 このため、タービンが溶ける等の心配がなくプラズマをかなり高温まで熱することができ、熱エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が良い。 実用化には、解決しなければならない部分がたくさんあるが、エネルギー効率の良い次世代の発電機として注目されている。


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