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2次元の運動方程式

カテゴリー:力学


1次元の運動方程式を取り扱うことが多かったが、2次元空間を運動する物体の運動方程式はどのように記述すれば良いのであろうか?

力も加速度もベクトルであるので、\(x,\ y\)の2次元であってもそれぞれの方向に対して運動方程式を立ててやれば良いのである。 つまり、


\begin{eqnarray} m \frac{d^2x}{dt^2} &=& F_x \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (1) \\ m \frac{d^2y}{dt^2} &=& F_y \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (2) \end{eqnarray}

と記述できるのである。ここまでは非常に簡単である。


ここでは、もう少し発展した運動方程式を記述する。 発展系を示す前に、まずは1次元の運動方程式を記述し直してから2次元に発展させる。

\(x\)平面に置かれた物体に位置に依存している力がかけられていた場合、その\( F(x) \)、\( F(y) \)とかける。

運動方程式から力学的エネルギーの保存を導いたようにポテンシャルエネルギー\( U(x) \)は\( F(x) \)と


\begin{eqnarray} U(x) &=& - \int_{x_0}^{x} F(x)\ \mathrm{dx} \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (3) \end{eqnarray}

の関係がある。この両辺を微分することで、


\begin{eqnarray} \frac{d}{dx} U(x) &=& - F(x) \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (4) \\ \end{eqnarray}

を得るのである。これを2次元に拡張する。

その場合は\(x\)方向、\(y\)方向どちらにも依存した力\( F(x,\ y)\)がかかり、\(x\)方向、\(y\)方向に対するポテンシャルエネルギー\( U(x,\ y)\)が生じるので、 全微分ではなく偏微分により、\(x \)方向、\( y\)方向にかけられる力をポテンシャルエネルギーから求めることができる。つまり、


\begin{eqnarray} \frac{\partial}{\partial x} U(x,\ y) &=& - F_x \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (5) \\ \frac{\partial}{\partial y} U(x,\ y) &=& - F_y \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (6) \end{eqnarray}

である。これをまとめると、


\begin{eqnarray} m \frac{d^2x}{dt^2} &=& - \frac{\partial}{\partial x} U(x,\ y) \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (7) \\ m \frac{d^2y}{dt^2} &=& - \frac{\partial}{\partial y} U(x,\ y) \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (8) \end{eqnarray}

と記述できる。これが2次元平面で位置に依存した力を受けた物体の運動方程式である。

位置に依存する力を受けた場合は2次元だろうか、3次元だろうが同様の方法で運動方程式を記述できるのである。

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