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偏光


 光は電磁波で、図1に示すように電場と磁場を進行方向に対して垂直に振動させながら伝搬するので、横波である。

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図1. 光の電場と磁場成分

電場と磁場の振動する方向が特定の方向に振動する光のことを偏光と言う。 電波でいうところの偏波と同じである。 図1の場合は、磁場は地表面に対して垂直に振動し、電場は水平に振動している。 磁場も電場も進行方向から見ると、直線上を振動しているように見えるので、こういった光は直線偏光と呼ぶ。 直線偏光の中には、よく横偏光や縦偏光と言う言葉を聞くことがあるが、磁場と電場が直交しているので、 どちらを基準に横、縦と言っているのかわからなくなる時がある。 電磁波(光や電波)の場合は基本的に、電場の振動方向を基準することがほとんどである。 図1の場合は、電場が地面に対して水平に振動しているので、横偏光と言うことができるのである。
 では、直線偏光の他にどのような偏光が存在するのだろうか? 図2に示すように光の進行方向から見た場合、電場と磁場が回転しながら伝搬してくる波がある。 この場合は、円偏光と呼ぶ。

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図2. 円偏光

図2に示した円偏光は、進行方向から見ると正円であるので、円偏光と呼ぶが、 円偏光の中には、正面から見ると、電場と磁場が楕円上を振動しながら伝搬してくる光もある。 こう言う光は、楕円偏光と呼ぶのである。 また、光学の分野では、入射面に対して電場が垂直に振動する光をs波またはs偏光、電場が入射面に対して平行に振動する光をp波またはp偏光と呼ぶ。 語源としては、sはドイツ語で垂直を意味するsenkrecht、pは英語で水平を意味するparallelである。 どうして英語で統一しなかったかというと、英語で垂直を意味するperpendicularもpで始まるからだと思われる。
 ここで、直線偏光に話を戻す。 太陽や、月などの自然なものから発せられる光は、基本的に偏光しておらず、自然光と呼ばれる。 自然光は逆に言うと、様々な方向に偏光した光が無数に混ざりあっているのである。 つまり、自然光の中には図1に示したように綺麗に地表に対して、水平に電場を振動させて入る横偏光の光が含まれている。 この横偏光だけを取り出すために偏光板というものがよく用いられる。  

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図3. 偏光板

図3に偏光板に侵入する光を示す。 偏光板は横に振動する以外の電場を吸収するようになっている。 この場合、電波が吸収されない横偏光以外の光(図3の上図)は偏光板に吸収されてしまい、偏光板より先に伝搬することはできない。 この結果、偏光板の先には横偏光の光だけが透過するので、横偏光のみを取り出すことができるのである。 偏光板はカメラのレンズや、レーザー光の減光などに用いられる。

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