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 導体と絶縁体


 物質は電気を通すか通さないかで導体と絶縁体(不導体)に分けられる。 場合によって導体にも絶縁体にもなる物質を半導体という。 まず、最も簡単な導体と絶縁体について説明する。

導体

 電気を良く流す物質を導体と呼ぶ。 導体内には自由電子と呼ばれる電子が自由に動き回っており、この電子によって電流が流れる。 良く知られた導体として、金属が知られている。 これらの金属は我々の生活に欠かすことができない電気系統に良く使われており、想像しやすいので、電線を使って説明をする。 電気伝導度が高い金属は電線の心線に使用されており、電線や電気ケーブルなどで欠かすことができない。 ではどういった物質が電流を流しやすいのであろうか? 電気の流しやすさを示す電気伝導度を下の表で比較すると、
物質伝導度(A・V-1・m-1)
6.29×107
5.95×107
4.52×107
アルミニウム3.77×107
マグネシウム2.26×107
タングステン  1.81×107

のようになる。実際にはもっといっぱいの導体が存在し、炭素や水銀なども電気を流す導体として知られている。 銀が最も電気伝導度の高い物質であるので、電線には銀が使用されているように思えるが、銀はとても高価で電線といったかなりの量の金属を必要とされる場合には銅が変わりに使われる。 銅は銀に比べて電気伝導がそんなに変わらないにもかかわらず、安価なのである。 ではすべての電線に銅が利用されているのかと言うとそうではない。 電線はその性質上、高架を使って張り巡らされる。 つまり、空中に設置しなければならない。 この時、銅は非常に重たいので、大電力を送る大きな送電線をすべて銅でつくるとかなり強固な高架と送電線が必要である。 こういった場合はアルミニウムが持ちられる。 アルミニウムは銅と比べて非常に軽い。その一方で、アルミニウムは脆い(もろい)性質を持っている。 そこで、発電所から我々の生活圏までの送電には芯に銅を用いて、その周りをアルミニウムで覆った電線が使われている。 銅の強さとアルミニウムの軽さ、そして、銅とアルミニウムの電気の流しやすさを最大限に活用しているのである。 このように一口に導体といっても、電気伝導度のほかに様々な性質を持っているので、利用する際にはこれらの性質を活かすことが重要なのである。
 もっと特殊な例として、超伝導というものが存在する。 超伝導とは電気伝導度が無限に大きく全く電気抵抗を持たない。 この物質を送電線に使えるとロスなく電気を送れるのであるが、超伝導は今のところ-170℃くらいでしか実現されておらず、この温度より高いと途端に電気伝導度が小さくなってします。 将来、我々が生活しているような温度である30℃くらいで超伝導が実現されれば、発電所で作った電気を全くロスなく各家庭へ届けることができるようになる夢のような時代も来るかもしれない。

絶縁体

 絶縁体とは自由電子の移動が極端に少なく、電流を流さない物質のことである。 例えば、ゴムやプラスティック、ガラスなどが絶縁体に分類される。 絶縁体に電流を流すためには相当の高電圧が必要で簡単に自由電子を作り出すことは難しい。
 水は導体に分類されることが多いが、これは水に含まれた塩分が電荷を持つイオンを作り出し、このイオンの移動によって電気を流すためである。 実は不純物を全く含まない純水は電流を流すことができず絶縁体となる。 地上付近では空気の密度が非常に大きく、空気が電離(電子とイオンに分けられること)しても、即時に周りのイオンと再結合をするため、イオンや自由電子が存在できず空気は電流を流すことができない。 しかし、雷のような高電圧がかかった場合は絶縁体としての性質が破られ、自由電子が移動し、電流が地上に向かって流れる。 このように、絶縁体は電気を流すことがないが、その性質を破るような高電圧がかかった場合は、自由電子が作られ電流が流れてしまうのである。
 電線には強い電流が流れている。電線が我々人間や住居に直接電流を流さないようにするためには電線の周りを絶縁体で覆う必要がある。 ゴム等では覆ってはいるが、やはり雷のように放電が起きてしまっては困るので、電線は空気を絶縁体として使っている。 だから電線は高いところに設置されており、地上に放電しないようにしているのである。

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