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ニュートンの運動3法則

カテゴリー:力学


力学とは物体の運動を研究する学問であり、その歴史は古い。

アイザック・ニュートンは、約300年前に運動の法則を数学的理論に基づいて示した。

現代でも、ニュートンが示した運動の3法則は力学を学ぶ上で最も基礎的な方程式として有名である。

ここでは、ニュートンの運動の3法則について簡単に説明していく。



第1法則

慣性の法則

外部から力が加えられない限り、運動している物体は等速直線運動を続け、静止している物体はそのまま静止しようとする。

第2法則

運動の法則

 物体に力が加えられた時、その物体は加えられた力と同じ方向に加速度を持つ。この加速度は加えられた力に比例し、物体の質量に反比例する。

第3法則

作用・反作用の法則

 物体に力を加えた時、加えた側も同じ量の力を物体から受ける。壁を手で押すと、自分も同じ量の力を壁から受けていることになる。


第1法則:慣性の法則


慣性の法則は、我々の生活の中で最も身近に感じることができる法則である。

物体は、いま現在行っている運動を「続け」ようとする。

どういうことかと言うと、時速10 kmで動いている物体は外部から力を加えられない限り、時速10 kmのまま未来永劫運動し続けるのである。

一方で、全く動かず静止している物体はそのまま静止し続けようとする。

これを慣性という。

静止している物体に関しては理解しやすいが、運動している物体に関しては少しイメージするのが難しいと思う。

床の上で積み木を滑らせるとある程度のところで止まってしまうし、自転車も漕ぎ続けないと倒れてしまう。

実はこの時、積み木も自転車も外部である床や地面から摩擦と言う力を受けているのである。

摩擦を受けてしまうため、止まってしまうのである。

もし、摩擦がなかったら積み木はずっと床を滑り続けられるし、平坦な道であったら、自転車はどこまでも進んでいくのである。(ちなみに自転車は摩擦がないと進めない)。

例えばゲームセンターによくあるエアホッケーは空気でパック(打ち合う円盤)を床から浮かすことで摩擦を軽減し、滑らかな動きを作っているのである。



第2法則:運動の法則


この法則は実際に式を見ないと全くわからない。

この法則は物理の式の中で最も有名と言っても過言ではない運動方程式のことを言っているのである。

運動方程式は


\begin{equation} \vec{F} = m \vec{a} \end{equation}

と表される。

\({F}\)は物体にかかる力、\(m\)は物体の質量、\({a}\)は物体の加速度(1秒間にどれだけ速度が変化するか)を表している。

質量\(m\)は、運動をしても変わることはない。

この式を眺めると、\( \vec{F} \)と\( \vec{a} \)は同じ方向のベクトルであることがわかる。

このことから外部から\( \vec{F} \)と言う力を加えると、その物体は\( \vec{F} \)と同じ方向に加速度\( \vec{a} \)で加速されるのである。

また、運動方程式を\( \vec{a} \)について解いてやることで、


\begin{equation} \vec{a} = \frac{\vec{F}}{m} \end{equation}

を得る。

つまり、加速度の大きさは、外部から加えられた力\( \vec{F} \)に比例して大きくなる。

また、物体の質量\( m \)に反比例するため、重い物体ほど大きな力を加えないと大きく加速させることは難しい。

これは日常生活でも直感的にわかることである。

重い石を早く動かそうと思ったら大きな力が必要であるし、重い石より軽い石の方が動かし易いということである。



第3法則:作用・反作用の法則


作用・反作用の法則は想像することが難しいかもしれない。

コンクリートの壁を強く押しても、自分は壁にめり込むことはない。

この時、壁も自分も静止している。

つまり、押す力と壁が人間を押し返す力が釣り合っているのである。

この押す力を作用、押し返す力を反作用と呼ぶ。

これらの力が釣り合う法則を作用・反作用の法則と言う。

ちなみに作用と反作用の力の大きさは同じで、向きは反対になるのである。

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