トップ > 力学演習 > ラグランジュ方程式を用いた運動方程式の導出 > ばねにつながれた質点

ばねにつながれた質点 


“fig01.png”
図2-1 ばねにつながれた質点

ばねはフックの法則に従い、釣り合いの位置を \( x=0 \)とする。 質点は釣り合いの位置から変異すると、変異と逆向きにばねから力を受けるので 質点にかかる力\( F \)は\( F=-kx \)となる。 すると運動方程式は \begin{equation} F = m \frac{d^2 x}{dt^2} = m \ddot{x} = -kx \end{equation} と簡単に導かれることができる。 ここまでは高校の知識で簡単に導くことができるが、 せっかくなので、ラグランジュ方程式を用いて運動方程式を導出してみる。
 質点の運動は水平面のみなので、運動エネルギー\(T\)は \begin{equation} T = \frac{1}{2} m \dot{x}^2 \end{equation} である。この系の質点に働く力はばねによる力のみで\( F=-kx \)である。ポテンシャルエネルギー\( U \)は \begin{equation} F = - \frac{dU}{dx} \end{equation} であるので、\(F\)を\(x\)に対して積分して-をかけてやることで、 \begin{equation} U = \frac{1}{2} k x^2 \end{equation} となる。運動エネルギーとポテンシャルエネルギーを得ることができたのでラグラジアン\( \cal L \)は \begin{equation} {\cal L} = T - U = \frac{1}{2}m\dot{x}^2 - \frac{1}{2} k x^2 \end{equation} となる。ラグラジアン\( {\cal L} \)をラグランジュ方程式 \begin{equation} \frac{d}{dt} \left( \frac{\partial {\cal L}}{\partial \dot{x}} \right) = \frac{\partial {\cal L}}{\partial x} \end{equation} に代入すると \begin{eqnarray} \frac{d}{dt} \left( m \dot{x} \right) &=& - kx \\ m \ddot{x} &=& - kx \end{eqnarray} が導かれ、力の釣り合いから求めた運動方程式と一致する。

広告