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準静的過程

カテゴリー:熱力学


気体を圧縮したり熱を加えたりする際、物質は複雑に変化する。

複雑なままだと問題を解き難いので、仕事や熱を加えた場合でも物質は均等に温度が上がったり下がったりすると仮定することが多い。 このことを準静的過程と言う。

しかし、どんな場合でも準静的過程が成り立つわけではない。 このページでは準静的過程とは一体どういうものなのか説明する。


fig2-3-1.png

図1. ピストンを圧縮した時の内部の温度


図1のようにシリンダーの中に空気を閉じ込めてピストンを押し込む過程を考える。 この時、ピストンを少し押し込んだ瞬間にシリンダー内部の温度は上昇を始める。 温度上昇は実はシリンダー内部で均一で起こるのではなく、ピストンに近い場所の空気から加熱されていく。 つまり、シリンダー内部の温度は一定ではなく、不均一になってしまう。

このような状況では熱力学の問題は極めて複雑になってしまう。 これを避けるために、ピストンを極めてゆっくりと押し込み内部の熱がすべて均等(熱力学的平行)を保ちながら変化を加えると仮定することが多い。 このことを準静的過程と呼ぶのである。


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