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フーリエ積分・フーリエ変換の意味


 フーリエ級数の区間を\( [-T/2,\ T/2] \)から\( [-\infty,\ \infty]\)まで拡張することで、 \begin{eqnarray} x(t) &=& \frac{1}{\sqrt{2 \pi}} \int^{\infty}_{-\infty} X(\omega) e^{i \omega t}\ d\omega \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (1) \\ X(\omega) &=& \frac{1}{\sqrt{2 \pi}} \int^{\infty}_{-\infty} x(t) e^{-i \omega t}\ dt \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (2) \end{eqnarray} を得るのである。 \( X(\omega) \)のことをフーリエ積分と言う。 また、\( X(\omega) \)を\( x(t) \)のフーリエ変換と呼ぶ。 \( X(\omega) \)と\( x(t) \)の詳しい導出方法は、フーリエ積分・フーリエ変換のページを見て欲しい。
 ではこのページでは、フーリエ変換の意味について考えていこうと思う。 式(1)を使って式(2)の\( X(\omega)\)へフーリエ変換した場合は何が変わっているだろうか? \( x(t) \)は何らかのパラメーターの時間変化を示しているのに対して、\( X(\omega) \)は周波数の変数となっている。 式(1)に\( X(\omega)\)が含まれていることから考えて、\( X(\omega) \)は\(x(t)\)を三角関数の重ね合わせ(フーリエ級数)で表した時における、各周波数成分の振幅であると言える。図に示すと図1のような関係がある。

fig1-7-1.png

図1.

つまり、\( x(t) \)をフーリエ変換すると、\( x(t) \)内に含まれる、どの周波数のものがどの程度の振幅を持っているのかがわかるのである。 これが、フーリエ変換の意味である。 ちなみに、式(2)で表される\( X(\omega) \)は連続スペクトルと呼ばれる図1の左図のような特徴を持つ。 他のWebページなどで、\( X(\omega) \)が線スペクトルと呼ばれるような、離散的な値を持つという記述がよく見られるが、それは間違いなので注意が必要である。