Gibbs現象(ギブス現象)
図1で示すような矩形波(くけいは)\( x(t) \)を
フーリエ級数で表す場合、
\begin{eqnarray}
x(t) = \sum_{n=1}^{\infty} \frac{4}{\pi} \left( \frac{1}{2n-1} \right) \sin 2\pi \left( \frac{2n-1}{T} \right)t \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (1)
\end{eqnarray}
となる。

図1.
では、式(1)で表されるフーリエ級数を\( x(t) \)に重ね合わせてみる。
この時、\( n=1,\ 2,\ 5,\ 20\)の場合について表示する。
そうするとどうなるであろうか?

図2.
通常ならば次数\(n\)が大きくなればなるほど、\( x(t) \)を正確に表すことができる。
式(1)の場合も次数\(n\)が大きくなればなるほど、黒線で示された\( x(t) \)をよく表せているように見えるが、
不連続の部分(矩形波の角の部分)に注目すると、次数を大きくしてもフーリエ級数が飛び出していることがわかる。
この飛び出す大きさは次数\( n \)を大きくしようとも収まることはなくある値に近くのである。

図3.
矩形波を拡大したものを図3に示す。
これからも分かるように次数を増やすと角の部分の飛び出しが顕著に見られるようになるのである。
このように。、区分的連続微分可能(ある区間では滑らかである)な周期関数のフーリエ級数において、
その周期関数の不連続部分となる点付近ではフーリエ級数が飛び出してしまう現象のことを「Gibbs現象」、「ギブス現象」、「ギブスの現象」と呼ぶのである。
ギブス現象の詳しい振る舞いは他の文献を探せば簡単に見つかるので、ここでは簡単な説明にとどめ、詳しいギブス現象の説明は割愛することとする。