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単位構造と結晶構造


 このページよりも前に並進ベクトル単位格子(単位胞)という結晶を表す上で不可欠なものを説明した。 結晶とは単位格子内部に収められた原子、分子、イオンの構造を並進ベクトルによって繰り返してつくらているのである。 この「単位格子内部に収められた原子、分子、イオンの構造」のことを単位構造と呼ぶ。
 私自身も固体物理を習い始めた際に単位格子と単位構造の違いをはっきりと理解するのに少し時間を要した。 上のことを別もう少し丁寧に説明すると、次のようになる。 単位格子の取り方は複数存在する。 一旦、単位格子を決めるとその内部に存在する原子、分子、イオンの構造(位置)が決まる。 この単位格子の内部のどこに原子があって、どこに分子があるのかを示す構造のことを単位構造と呼ぶのである。

“fig1-3-1.png”

図1. 原子やイオンの配列


では図1のように2次元平面に簡単に示された原子の配列を例にして単位構造を説明をする。 図1を見てもわかるように青点と赤点が規則的に並べられている。 この時、格子点はどの位置にとればよいのであろうか? とりあえず大きい青点と赤点が目立つので、それぞれを格子点と考えてみる。

“fig1-3-2.png”
図2.


すると図2のようになる。 (a)が赤を格子点とした場合で、(b)を青を格子点とした場合である。 (a)と(b)も\( {\bf a}_1 \)と\( {\bf a}_2 \)ベクトルで表すことができるとする。 即ち、(a)または(b)を並べていけば図1を表現できることから(a)と(b)はどちらも単位格子であることがわかる。 この時の赤点や青点のそれぞれの位置のことを単位構造と呼ぶのである。

“fig1-3-3.png”
図3.


尚、図2の(a)と(b)は見ての通り、青点、赤点の格子点に取ってしまったので、それぞれの点が分割されている。 そこで、(c)のように単位格子を決めてやると、それぞれの原子や分子を分割せずに単位格子および単位構造を表現できる場合がある。
 また、単位格子と単位構造が決められるとそれを並べたり重ねたりすることで規則的な物質を表すことができる。 これを結晶構造と呼ぶ。以上をまとめると、単位格子が決めると、その内部の原子、分子、イオンの位置を示す単位構造が決定する。 この単位格子と単位構造が繰り返し3次元に並べられたものを結晶構造と呼ぶのである。

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