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極座標と円柱座標


 これまでの中学までの知識では、直交座標系に存在する点の座標を示すのは\( x,\ y \)を用いてきた。 高校や大学での物理で取り扱う問題はより複雑になり、直交座標系で表すよりもっと便利に運動や位置を記述できる方法があると便利になってくる。 極座標系は回転を伴った運動を記述することにとても優れている。 ここでは初めに二次元の極座標系を紹介した後に、三次元極座標系や円柱座標を紹介する。

二次元極座標

図3-16の様に、直交座標上の点Pを考える。 これまでの直交座標系の知識のみであると、点Pの座標は\( (x,\ y) \)と表してきた。 極座標は原点から点Pまでを結んだ直線とx軸との成す角\( \theta \)と原点から点Pまでの距離\( r \)とで点の位置を表す座標系である。 図から考えれば幾何学的に直交座標系と極座標系の関係が以下の様な関係性であることがわかる。 \begin{eqnarray} x &=& r \cos \theta \\ y &=& r \sin \theta \end{eqnarray}

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図3-16 二次元極座標



三次元極座標

次に座標系を三次元に拡張して考える。直交座標系の時は、\((x,\ y,\ z)\)と表せればよかった。 極座標の場合は、点Pの座標を図3-17の様に、原点と点Pを結ぶ直線とx軸の成す角を\( \varphi \)、 z軸と成す角を\( \theta \)、原点から点Pまでの距離を\( r \)として表す(図3-16の\( \theta \)と違うので注意)。 すると、各成分は以下の様な関係となる。 \begin{eqnarray} x &=& r \sin \theta \cos \varphi \\ y &=& r \sin \theta \sin \varphi \\ z &=& r \cos \theta \end{eqnarray} \( r \)の大きさは \begin{equation} r = \sqrt{x^2 + y^2 + z^2} \end{equation} で表される。

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図3-17 三次元極座標



円柱極座標

二次元極座標系とz軸成分のみ直交座標系を適応したものが円柱座標系である。 図3-18の様にある点Pを考える。すると、すぐ分かる様に、\(x,\ y,\ z\)の関係は \begin{eqnarray} x &=& r \cos \theta \\ y &=& r \sin \theta \\ z &=& z \end{eqnarray} となる。この時、\( r \)は原点と\( P’ \)を結んだ線分であることに注意する。

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図3-18 円柱座標


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