トップ > 物理数学 > 収束半径

 収束半径


 テイラー展開は、ある関数を以下のように級数に展開することができる。 \begin{equation} f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{f^{(n)} (a)}{n!} (x - a)^n = f(a) + f’(a)(x-1) + \frac{1}{2!} f’’(a)(x-1)^2 + \frac{1}{3!}f’’’(a)(x-1)^3 + \cdots \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (1.11.1) \end{equation} この時、展開した級数がどんどん大きくなっていってしまう場合、テイラー展開はできない。 これを発散と呼ぶ。逆に級数がどんどん小さくなっていく場合、テイラー展開することができる。 これを収束と呼ぶ。収束する条件を収束半径と呼び、通常はテイラー展開を原点まわりに行うマクローリン展開をする時に、原点からどの程度離れてもテイラー展開が可能かを示す時に使われる。
 まずは簡単な例から始めてみる。 \begin{equation} f = 1 + x + x^2 + x^3 + \cdots\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (1.11.2) \end{equation} の関数の時、\(x < 1\)でないと発散してしまうことは容易に想像がつくだろう。 この時のこの関数の収束半径は1ということになる。 だんだんわかってきたと思うが、これは級数を数列として捉え、その和を求めることで収束半径を求めることができるのである。 ちなみに、一般項は\( a_n = x^n \)である。 等比数列、式(1.11.2)の和は以下のように表される。 \begin{equation} f = 1 + x + x^2 + x^3 + \cdots = \frac{1 - x^{n-1}}{1-x}\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (1.11.3) \end{equation} このことからもxが1より小さくないと収束しないことがわかる。
 収束半径はダランベールの判別式で求めることができる。 ダランベールの判別式は \begin{equation} \lim_{n \to \infty} \left| \frac{a_{n+1}}{a_n} \right| \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (1.11.4) \end{equation} である。ダランベールの判別式が1より大きければ発散し、1未満であれば収束する。 1の時は発散と収束の両方の場合がある。 この判別式を使って、テイラー展開の収束半径を求めてみる。 式(1.11.3)の\( a_n = x^n \)、\( a_{n+1} = x^{n+1} \)であるので、ダランベールの判別式は \begin{equation} \lim_{n \to \infty} \left| \frac{a_{n+1}}{a_n} \right| = x \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (1.11.5) \end{equation} となり発散しないためには、やはりxが1より小さくなくてはならないことがすぐにわかる。

広告