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 循環座標


 ポテンシャルエネルギー\( U \)が原点からの距離、\( r\)だけの関数である場合を考える。 このポテンシャルエネルギー\( U \)から導かれる力のことを中心力と呼ぶ。 2次元極座標のラグラジアンは中心力ポテンシャル\( U(r) \)を用いて、 \begin{eqnarray} {\cal L} = \frac{1}{2}m\left( \dot{r}^2 + r^2 \dot{\theta}^2 \right) - U(r)\ \ \ \ \ \ \ (1) \end{eqnarray} と表される。ここで、\( {\cal L} \)の各項に\( \theta \)は含まれていない。(\(\dot{\theta}\)は含まれているが、\( \theta \)は含まれていない。) このようにラグラジアンに含まれていない座標を循環座標と呼ぶ。この場合、\( \theta \)が循環座標なのである。
 では循環座標とは何が言えるのだろうか? ラグランジアンに\( \theta \)は含まれないので、 \begin{eqnarray} \frac{\partial {\cal L}}{\partial \theta} = 0\ \ \ \ \ \ \ (2) \end{eqnarray} である。つまり、ラグランジュ方程式は以下のように書くことができる。 \begin{eqnarray} \frac{d}{dt}\left( \frac{\partial {\cal L}}{\partial \dot{\theta}} \right) = \frac{\partial {\cal L}}{\partial \theta} = 0\ \ \ \ \ \ \ (3) \end{eqnarray} つまり、ラグランジュ方程式の左辺も0であることがわかる。 ここで、 \begin{eqnarray} \frac{\partial {\cal L}}{\partial \dot{\theta}} = mr^2 \dot{\theta}\ \ \ \ \ \ \ (4) \end{eqnarray} であるので、これを式(3)に代入することで、 \begin{eqnarray} \frac{d}{dt} \left( mr^2 \dot{\theta} \right) = 0\ \ \ \ \ \ \ (5) \end{eqnarray} を導ける。このように循環座標から時間に依存しない定数を見つけ出すことができる。 \( mr^2 \dot{\theta} \)のように運動している間に変化しない量のことを保存量と呼ぶのである。 (いくつかの教科書では保存料のことを「運動の積分」と呼んでいるが、保存量の方が分かりやすい。)

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