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透過光強度と反射光強度


 光の強度を求める際にポインティングベクトルから計算を開始した。 光のポインティングベクトル\( {\bf S} \)は \begin{eqnarray} {\bf S} = {\bf E} \times {\bf H}\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (1) \end{eqnarray} で求められる。スカラーで表すと、 \begin{eqnarray} S = \sqrt{\frac{\epsilon}{\mu} }\ E^2\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (2) \end{eqnarray} である。ここで、\( E \)は電場の振幅である。 \( \epsilon \)は媒質の誘電率、\( \mu \)は媒質の透磁率である。 \( n = \sqrt{\mu\epsilon / \mu_0 \epsilon_0} \)の関係を使うことで、式(2)は以下のように変形することができる。 \begin{eqnarray} S = \frac{nc}{\mu} E^2 \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (3) \end{eqnarray} ここで、\( n \)は屈折率、\( c \)は真空の光速である。
図1のような入射光、反射光、透過光の関係を考える。 入射光、反射光、透過光の電場の振幅をそれぞれ、\( E_1 \)、\( E_2 \)、\( E_3 \)として、 媒質A、媒質Bの屈折率を\( n_A \)、\( n_B \)とする。

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図1. 入射光、反射光、透過光の関係と入射角、反射角、屈折角

入射光、反射光、透過光の単位時間に単位面積を通過するエネルギー\( S_1 \)、\( S_2 \)、\( S_3 \)は以下のように表すことができる。 \begin{eqnarray} S_1 = \frac{n_A c}{\mu_A} E_1^2 \\ S_2 = \frac{n_A c}{\mu_A} E_2^2 \\ S_3 = \frac{n_B c}{\mu_B} E_3^2 \end{eqnarray} ここで、反射率と透過率は光の強度の比を取るべきであるが、光の強度にはポインティングベクトルに真空の光速をかけただけであるので、比を取る際にこの光速は消えてしまう。 また、入射光と透過光の強度を比較する際に図2のように光が広がる(狭まる)問題が生じる。 今は、単位時間に単位面積を通過するエネルギーで計算しているので、これを補正する必要がある。 補正は簡単で、\( S_1 \)、\( S_3\)にそれぞれ、\( \cos \theta_A \)、\( \cos \theta_B \)をかけてやればいいのである。

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図2. 入射光の透過光の関係。屈折率によって、光が広がったり集中したりする。

つまり、反射率は\( S_2\cos \theta_B / S_1 \cos \theta_A \)、透過率は\( S_3 / S_1 \)と等しくなる。 上記により、反射率\( R \)、透過率\( T \)は、 \begin{eqnarray} R &=& \frac{E_2^2}{E_1^2} \\ T &=& \frac{n_B \cos \theta_B}{n_A \cos \theta_A}\frac{E_3^2}{E_1^2} \end{eqnarray} と表すことができるのである。この電場の振幅の関係、\( E_2^2 /E_1^2 \)および、\( E_3^2 / E_1^2 \)はフレネルの式から求めることができる。

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