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 電場


 電場とは、ある何もない空間に電荷を置いた時、その電荷に加えられる電磁気的な力であると定義されている。 これだけでは、電場が何であるか想像するのは難しいので、少し砕けて考えてみる。
 クーロンの法則とは、電荷を持った2つの物体の間にはクーロン力という力が働くという法則であった。 このクーロン力とは、遠隔力であり、離れた電荷に対して作用する。 では、2つの電荷のうち1つの電荷を変化させた場合はどうなるのであろうか? もう一つの電荷へのクーロン力は一瞬で変化し、片方の電荷の変化と同時にもう片方の電荷に働くクーロン力が変化するのであろうか? 実はそうではない。電荷が周りに与える影響は光の速度で伝わるので、一瞬ではなくある程度の時間差を持って伝わるのである。 このことを使って、電場というものをもう少し詳しく記述してみようと思う。

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ある電荷を\( Q_1 \)をある空間に置くと、 電荷の周辺に電場が生成され、その電場は光の速度で伝搬する。別の場所に置いてあった電荷\( Q_2 \)には\( Q_1\)との位置に依存した電場を感じる。 この電場が\( Q_2 \)に電気力(クーロン力)を作用させる。この電場は電荷\( Q_1 \)から離れれば離れるほど弱くなる。
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ということである。この電場のように空間の各点に作用する物理量が決められている空間のことを、その物量のという表現をする。 例えば、天気予報の各地の温度の図は「温度場」、風速の図は「風速場」と呼ぶ。 また、温度は大きさだけで向きを持たないスカラー量なので、スカラー場、風速は大きさも向きも持つのでベクトル場とも呼ばれる。

電場
 次に電場の物理的な取り扱いについて述べていこうと思う。 帯電体が電場から受ける力は、帯電体の持つ電荷に比例する。 つまり、電場が存在する空間の位置\( {\bf r} \)に置かれた電荷\( Q \)を持つ帯電体に加わる力は、 \begin{eqnarray} {\bf F} = Q{\bf E}({\bf r}) \end{eqnarray} と表されるのである。この時、\( {\bf E} \)が電場、または電界と呼ばれる。 電場はもちろん位置に依存し、ベクトル量である。 電場の向きは正の電荷が受ける力の向きである。 電場の単位は力を表すN(ニュートン)と、電荷のC(クーロン)を用いて、N/Cで表される。
 電場は我々の生活にも密接に関わっている。 例えば、電波塔から時間によって変化する電場を発信すると、その電場は光の速さで伝搬する。 やがて、我々の家まで届き、そこに設置されているアンテナの中の自由電子をゆする。 自由電子が動くと電流が流れるので、この電場の振動によって振動電流がアンテナに流れる。 この振動電流を音声や画像に変換してやることで、ラジオがテレビが聞けたり見れたりするのである。 これはよく「電波」と呼ばれ、我々の生活には欠かせない存在になっているのである。

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